緑内障

緑内障

目の中には、『房水(ぼうすい)』と呼ばれる水が巡っています。
房水は『毛様体(もうようたい)』とよばれる組織からうまれ、目の中を巡ったあと、『線維柱帯(せんいちゅうたい)』というフィルターを通り、『シュレム管』という出口へ抜けていきます。

房水は普段、目の形を保ったり、目の中に栄養を行き渡らせたりする役割をしていますが、何らかの原因でこの房水の循環が悪くなり、眼球内の圧力(『眼圧』といいます)が高くなりすぎてしまうことがあります。
眼圧が高い状態が続くと、目と脳をつなぐ視神経が障害され、見える範囲(視野)が徐々に狭くなっていきます。
これが『緑内障』です。
緑内障が原因で失ってしまった視野を取り戻すことは出来ませんが、それ以上症状を進めないために、点眼・レーザー・手術などで治療をおこないます。

眼圧が高い状態
眼圧が高い状態     

  症状
症状
症状
症状

点眼治療

1日1~2回程度、毎日目薬をさすことで眼圧を下げ、視神経への負担をやわらげて、症状の進行を防ぎます。
目薬の種類によっては、白目が充血する・睫毛が伸びる・目のまわりの皮膚が荒れる・目が痒くなるなどの副作用がおこることもありますが、医師と相談しながら、継続して使い続けることが大切です。

眼圧が高い状態

レーザー治療

前述のとおり、目の中には『房水』と呼ばれる水が巡っています。房水が作り出される量と出ていく量のバランスがよければ良好な眼圧が保たれますが、何らかの原因によりそのバランスが崩れ、排出がうまくいかない状態になると、眼圧が上がってしまいます。
空気を入れすぎてパンパンになったゴムボールのように、眼球も、水の逃げ道がなくなってしまうと内圧が高くなり、その影響で視神経がダメージを受けてしまうのです。

排出がうまくいかなくなる原因として、『隅角は開いているが、その先が目詰まりしている』もしくは『隅角が狭い、または閉塞してしまっている』という病態が挙げられます。それを解消するために、当院では2種類のレーザー治療をおこなっており、患者様の目の状態によって使い分けています。

治療はいずれも点眼麻酔のみでおこなうことができ、治療後は洗髪・洗顔などの生活制限はありません。
レーザーをうつ前に瞳孔を縮める点眼薬をさしますので、一時的に目の中に光が入りづらい状態になります。普段よりも視界が暗く感じるかもしれませんが、点眼薬の効果は4~8時間程度で切れますのでご安心ください。
当日は瞳孔が縮まった状態でお帰りいただきますので、お車やバイク、自転車等を運転してお越しにならないようお願いします。

眼圧が高い状態



SLT(隅角光凝固術)

隅角は開いているものの、シュレム管(房水の排水管)のフィルターである線維柱帯が目詰まりを起こしているという方におこなう治療です。
線維柱帯に色素細胞が詰まると、房水の流れが悪くなり、眼圧が上がってしまいます。この色素細胞にレーザーで働きかけることによって、フィルターの目詰まりを解消し、房水の流れをスムーズにして眼圧を下げます。
侵襲が弱く、目に悪影響を及ぼすことがないため、再度目詰まりを起こしても繰り返し治療を行うことができるというメリットがあります。
レーザーの所要時間は10分程度です。
      SLT                                

LI(虹彩光凝固術)

隅角が狭い、もしくは閉塞してしまった方におこなう治療です。
急性緑内障発作の予防もしくは解除を目的におこなわれる治療で、レーザーで虹彩(茶目の部分)に穴をあけ、房水の通り道を作ります。
レーザーの所要時間は10分程度ですが、発作を起こしてしまっている場合は先に眼圧を下げる点滴をおこなう必要があり、普段よりも目が浮腫んでいるためレーザーにも時間がかかります。

急性緑内障発作とは?

房水の通り道である隅角が何かの拍子に塞がってしまうと、作られた房水が流れ出ていくことが出来ず、行き場のなくなった房水によって眼圧が急激に上昇します。すると、頭痛・吐き気・嘔吐・充血・霞みなどの症状が現れます。その状態を“急性緑内障発作”と呼びます。

眼圧が高い状態が続くと、目と脳を繋ぐ視神経に強い負担がかかります。発症から時間が経てば経つほど、視神経の損傷はひどくなり、次第に視野が失われ、最悪の場合は一晩で失明に至ってしまうこともあります。
その発作が起きるのを防ぐために、あるいは起きてしまった発作を解除するためにおこなうのがLIです。ただし、目の状態によってはLIだけでは発作を解除できないこともあり、その場合は手術が必要になります。

急性緑内障発作には様々な誘因があります。
隅角にはもともと“瞳孔が広がることによって狭くなる”という性質があり、発作はそのように瞳孔が広がるような条件下で多く起こります。
たとえば、瞳孔が広がる作用のある薬(一部の風邪薬や睡眠薬など)を飲んだり、暗い場所でうつ伏せの姿勢でいたりするなどの行動が引き金となってきます。
夜中にトイレに起きた際、突然ひどい頭痛や吐き気に見舞われ、脳の病気ではないかと救急を受診したところ、じつは緑内障発作だったという例もあるのです。
発作は60代以上の遠視眼の方に起こりやすく、特に身体の小さいご高齢の女性には比較的多くみられます。遠視の方の眼球は近視の方の眼球よりも小さく、構造的に隅角が狭くなりやすいため、近視の方よりも発作のリスクは高まります。
医師から発作のリスクがあると言われたら、なるべく上記のような条件に該当する行動は避け、もしも発作のような症状が起こったら出来る限りすみやかに受診するようにしましょう。

手術治療

目薬を何種類使ってもなかなか眼圧が下がらず、病状の進行が止まらない場合もあります。
そのようなときには手術治療をおこないます。
手術にはいくつか種類があり、線維柱帯を一部切り開いたり、切除したり、バイパスするパイプを埋め込むなどの操作によって、眼圧を下げることを目的におこなわれます。

緑内障チェック

  • 視界の中に見えない範囲がある
  • 見える範囲が狭くなってきている
  • かすみ目をともなう頭痛・吐き気・目の充血・眼痛がある
  • ステロイドの目薬もしくは内服薬を長期点眼・服用している

当てはまる項目があれば受診をおすすめします。
緑内障は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。自覚症状が出たころにはかなり病状が進行している場合もありますので、早期に発見して進行を予防していくことが大切です。
40歳以上の20人に1人は緑内障と言われていますので、上記に当てはまる項目がない方でも、40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受けていただくことをおすすめします。
受診をご希望される方は、下記よりお問い合わせください。

よくある質問

緑内障には自覚症状としてどのような見え方の変化がありますか?また、どんなことに注意すればよいのでしょうか。

「視野の中に見えない範囲がある」「見える範囲が狭くなってきている」などが代表的な自覚症状になります。

眼科ドックについてドライアイや緑内障などの病気を早期発見するため、40歳を過ぎたら眼科ドックを受けた方がいいと言う記事を読みました。この様な検査はどこの眼科でも受けられるのですか?

A.眼科の専門ドックについては、どこの眼科でも実施している訳ではありませんし、眼科ドックを標榜している病院はまだ、数多くありません。

目のレーザー治療の副作用を教えてください。

Biz
みるみるネット
ISEE治療
安心LASIK

Copyright © 2021 (医) インフィニティメディカル All Rights Reserved.