ドライアイ

ドライアイの原因

ドライアイは、涙の量や質が低下することによって、目の痛みや充血などのさまざまな症状が引き起こされる病気です。ドライアイの原因は複合的と考えられていますが、主な原因の1つがマイボーム腺機能不全(MGD)です。
涙は「油分」「水分」「ムチン」の3つの層からできており、水分が蒸発しないように油の層(※1)で覆われています。この油を分泌しているのが、睫毛の生え際にある『マイボーム腺』という器官です。
マイボーム腺の働きがなんらかの原因で低下してしまっている状態をMGDといい、涙の中の油分のバランスが崩れてしまうことによりドライアイの症状が引き起こされます。その他にも、MGDは眼の不快感や流涙、麦粒腫、霰粒腫などの原因にもなります。

※1:油の層には「涙を安定させる」「涙の蒸発を防ぐ」「涙をまぶたの縁に留める」等の大切な働きがあります。

IPLとは?

IPLは、Intense Pulsed Light(インテンスパルスライト)という医療用の特殊な光のことです。IPLを用いたドライアイ治療は、アメリカ食品医薬品局(FDA)の認可を受けており、日本でも新しいドライアイ治療として注目されています。
当院で導入している「OptiLight(オプチライト) M22」は、ルミナス・ビー・ジャパン株式会社が国内における医療機器製造販売承認を取得したIPL治療器です(※1)。『MGDを伴うドライアイに対する治療』を目的としたIPL治療器として、日本で初めて薬事承認を受けました(※2)。
OptiLight M22は眼科領域に特化したモードを有し、あらかじめ治療プロトコルがセットされており、安全性と簡便性を追求した治療が可能となりました。治療はキセノンフラッシュランプにより発生させた連続したスペクトル光の温熱効果による血流改善、疼痛・炎症の緩解を行い、マイボーム腺を刺激してドライアイ症状の解消を促します。この治療法は痛みが少なく、副作用のない安全性の高い治療と言われています。(照射する際に、弾かれるような痛みを感じる場合があります)

※1:OptiLight M22による治療は、マイボーム腺の圧出を実施することを前提としています。
※2:2022年12月21日付。

IPL治療に適している方

  • 点眼治療や温罨法を行っているが、ドライアイなどの改善がみられない方
  • 涙点プラグ(涙の流れの出口に栓をし、涙液を留めておく治療)でも改善がみられない方

治療の流れ

スケジュール

4回を1セットとし、3~4週間おきに1回の治療をおすすめしております。
※治療は1回から可能です。

治療前

  • メイクや基礎化粧品をすべて落としていただきます。
  • 眼の周囲に毛が生えていると毛に反応して痛みを感じやすくなるため、施術前に一部の剃毛をお願いする場合があります。
  • IPLを当てる場所にホクロがあるときはシールを貼ってカバーします。

施術

1回の治療時間:約10分
当院は主に看護師が施術を行っております。

1.専用のアイマスクをつけて、顔に密着させます。
2.下まぶたの下部(頬の上部)に水溶性ジェルを塗ります。
3.目の下を中心に耳の前から鼻、鼻の頭、更に対側の耳の前まで、合計13回照射をし、これを2回繰り返します。
4.ペンシルタイプの機器に変更し、再度同様にフラッシュします

※ペンシルタイプ型の治療器具は国内未承認です

5.ジェルを拭き取り、眼の周りを洗浄し、施術完了です。
6.最後に、診察室にて医師によるマイボーム腺の圧出を行い終了です。

治療後

  • 一連の治療期間中、処置を受けた箇所には、他の治療はお控えください。
  • 紫外線に当たるときは、施術箇所に日焼け止めクリームを塗ってください。

※一般的な眼科検診は受けていただいて構いません。

治療が受けられない方

  • 妊娠および授乳中の方
  • 光過敏症もしくは、光過敏症を高める薬剤をご使用中の方
  • 皮膚が日焼けしている方
  • てんかん発作の既往歴のある方
  • ケロイド体質の方
  • 血液凝固に異常のある方
  • 前がん病変、皮膚がん、または皮膚がんの既往のある方

重要なまぶたのお手入れ(リッドハイジーン)

MGDやMGDを伴うドライアイを改善するには、洗髪や洗顔と一緒で眼のまわりを毎日清潔にすることがとても大切です。
当院では、ティーツリーというアロマの成分からできた洗顔料や、アイシャンプーなどで適切に洗浄していただくリッドハイジーン治療をおすすめしております。体や顔を洗うのと同様に、睫毛の根元も洗浄して清潔に保つことにより、マイボーム腺機能の回復が助けられ、ドライアイ症状の緩和にも繋がります。日頃から行えるケアとしてぜひご検討ください。

参考:LIME研究会

LIME研究会より転載

よくある質問

VDT症候群と対策について教えてください

A.VDTとは、visual display terminal の略で、パソコンの画面など映像を表示するディスプレーを示す言葉です。この様なディスプレーを見続ける業務に従事していると、長時間の作業のために眼の疲れや乾燥などの障害を起こす事があります。ディスプレーを見る作業で生じた障害をVDT症候群と呼びます。

眼科ドックについてドライアイや緑内障などの病気を早期発見するため、40歳を過ぎたら眼科ドックを受けた方がいいと言う記事を読みました。この様な検査はどこの眼科でも受けられるのですか?

A.眼科の専門ドックについては、どこの眼科でも実施している訳ではありませんし、眼科ドックを標榜している病院はまだ、数多くありません。

ドライアイだと言われています。点眼を処方して貰っていますが、あまり調子が良くありません。点眼以外の治療法について教えてください。

A. 一般にドライアイは涙の分泌量が少なくなる病気と考えられていますが、実は涙が少なくなる分泌減少タイプの他に角膜の表面の水分の蒸発が過剰になる蒸発過剰タイプや、その両方が関係しているタイプもあります。

ドライアイの最新治療(IPL)について教えてください。

A. マイボーム腺機能を回復させる事で涙液の蒸発を抑えるドライアイ治療法が注目されています。2020年7月 日放送のNHKの番組「ガッテン!」でも取り上げられていました。

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