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当院の感染症対策について、日経メディカルに取り上げられました


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2020年初めから国内でも始まったコロナ禍以降、社会慣習は大きく変わり、患者の受診行動にも影響が出ている。第5波が過ぎ、国民のワクチン接種率が上がっているが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が根絶されたわけではない。これからのWithコロナ時代の医療はどうあるべきか。ここでは眼科診療の一例として、八王子友愛眼科(東京都八 王子市)理事長の今野公士氏に同院の取り組みを聞いた。

2019年末に中国で未知の感染症が広がっていると報じられたとき、いずれ日本にもやって来るのではないかと考えた。その後、実際、日本でもまん延し始め、2020年4月には緊急事態宣言が発出され、社会生活も大きく制限された。

私自身は、この新興感染症に対し、分からないことは多いが、これまで行ってきた感染対策を継続していけば患者に「きちんと対策しているな」と感じてもらえるだろうし、安心感は得られるだろうと考えていた。

ただし、そうは言っても未知の感染症だ。だから4月にはすぐにサーモグラフィーを導入し、受付に来たら自動で検温できる体制を整えた(図1)。まだ行政からの助成が出ると決まる前だったが、いち早く取り入れた。デパートや飲食店が来店者に入り口で検温をし始めた頃だったが、非接触式の体温計ではどうしても時間がかかる。スペースが広い施設ならともかく、クリニックのような規模では、受付や待合スペースに渋滞ができ、密な状態となってしまい、患者が不安になるからだ。

図1 自動で検温するサーモグラフィーの画面。検温で患者が並ぶことがないような体制を整えた。(画像提供:今野氏、図2~4も)



実際、何人かの患者からは「検温していないのか」と聞かれたのはその証左だろう。そのため、エレベーター内や待合室に自動で検温していること、さらにはインターネットには接続していないパソコンで安全に管理していることを告知している(図2)。

図2 エレベーター内や待合スペースに掲示した、自動で検温していることを紹介するポスター



また、細隙灯顕微鏡にアクリル板によるシールドを装着した(図3)。これも4月には実施した対策だ。眼科診療は患者の顔に近づく機会が多い。実際、中国・武漢で初期に感染により亡くなった医療従事者の中に眼科医がいた。患者および医療者のいずれもが安心できるように、すぐにアクリル板を導入しなければならないと思った。

図3 細隙灯顕微鏡にアクリル板によるシールドを装着した



第1波では、大学病院や規模の大きい病院などは、白内障の手術など、いくつかの手術を一時中止した。いくつもの診療科がある施設では、それぞれの診療科特有の事情があっても、ある程度統一的な基準を作り、一律に中止にせざるを得ないという判断があったのだろう。しかし、白内障で目が見えなくなってしまっている患者はいるし、急性涙嚢炎で大きく腫れ、強い痛みに苦しむ患者はいる。であれば、当院ではやろうと考えた。

先に述べた入り口のサーモグラフィーやアクリル板の設置以外に、手術時に患者さんにマスクをしてもらったり、患者の皮膚粘膜に接触する視能訓練士や看護師に標準防護具の着用を徹底したり、もともとサージカルスモーク対策として使っていた吸煙器を流用して飛沫対策(図4)を行ったが、それ以外はこれまで行ってきた院内対策を継続しただけだ。当院には60人ぐらいのスタッフが在籍しているが、これまで誰一人として感染者を出すことはなかった。外科医はもともと「清潔」と「不潔」を常に意識しているし、院内感染対策は徹底してきた。また、そのことをスタッフにも指導してきたからだと思う。

図4 サージカルスモーク対策のために保有していた吸煙器を応用して手術中に発生しうるエアロゾルを吸引する体制を整えた。



眼科領域ではアデノウイルスによる角結膜炎に特に注意が必要だ。アデノウイルスは非常に感染力が高く、感染者が触ったエレベーターのボタンに触れた手で目をこするだけで感染が成立する。接触感染によって容易に伝播してしまうのだ。そのため、これまでも感染対策は力を入れてきたし、注意を払ってきた。新型コロナウイルスが空気感染で爆発的に広がるようなものでなく、致死率もそれほど高くないものであれば、これまでの感染対策でまず問題ないだろうと踏んでいた。

確かに常に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を診ている呼吸器内科や高齢者施設などはクラスターが発生しやすい背景があると思う。しかし、それ以外の診療科では本来取るべき感染対策と、少しだけ追加の対策を行えばクラスターが発生することはないはずだ。

クリニックにとって、COVID-19もインフルエンザも罹患してしまえば2週間休診せざるを得ないという点で変わらない。だからこそ、毎冬はワクチンを接種してきたし、診察中だけでなくオフの時間もマスクをしたり手指衛生に気をつけたり、帰宅すれば家族と会う前にシャワーを浴び、鼻うがいをし、などと対策をとってきた。Withコロナ時代であっても基本は変わらないだろう。むしろ一般人はこうした対策をしていなかったが、コロナ禍で感染対策の重要性が周知されたし、マスクをしていなければ「マスクをしてください」と言えるようになった。感染対策の観点ではよい方向に進んだ部分もあると言える。

Withコロナ時代の医療は、眼科クリニックとして安全な医療を提供するために実施してきた対策に、少し新たな対策を加えたものの、これまでと同じように徹底して継続していくことだと思っている。

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