手術機器のこだわり

より質の高い白内障手術治療を患者様にお届けするために、当院では最先端白内障手術支援システム「V-Lynk(ブイリンク)」を導入いたしました。
「V-lynk」とはARGOS(アルゴス)、VERION(べリオン)、ORA(オラ)という機器を接続して行う最先端デジタル白内障手術支援システムのことです。全国的にもまだ導入の少ない最先端かつ高性能のシステムです。全ての機械がリンクしており、検査室と手術室で連動してデータの受け渡しを瞬時に行います。

ARGOS(アルゴス)

~白内障手術の精確性をデザインする~

白内障手術に必要な眼軸長の測定をする検査機器です。レンズの度数を算出する計算式も豊富に組み込まれており、それぞれの患者様に最適なレンズを選択できます。
1度の測定で6回撮影が可能になり、従来より精度の高い眼軸長の測定と正確なデータの算出が可能になりました。

3つの特徴

特徴1

測定中に2次元画像をリアルタイムで表示でき、視能訓練士がその場でセルフチェックできます。

※眼軸長と角膜の状態を視能訓練士が確認しながら、測定します。

特徴2

眼の表面(角膜頂点)から奥(網膜)までの4つの組織のそれぞれの異なる屈折率を用いて、眼軸長を測定します。どの組織も同じ屈折率を用いて測定していた従来のものに比べて、より正確なデータの算出が可能です。

特徴3

レンズの度数を算出する計算式も豊富に組み込まれており、患者様に最適なレンズを選択できます。

※手術計画書

VERION(べリオン)

~全ての患者様に最適で正確な手術を提供~

手術中の切開位置や眼内レンズの固定位置を、手術顕微鏡にデジタルガイドで表示させる装置です。
今までは術者は別のモニター画面で確認し、目分量による切開やレンズ固定を行っていました。しかし、VERIONは術中に正確な切開創や固定位置をデジタルガイドで顕微鏡に同時投影しますので、より正確に手術をすることが可能になりました。

※切開位置をデジタルガイドで表示

ORA

~手術中のリアルタイム分析ができる手術支援システム~

手術で水晶体を取り除いたあとに術中リアルタイムで眼内レンズの度数を計測し、グローバルな大規模データベースを基にその患者様に最適な眼内レンズを提案してくれる装置です。
これまで眼内レンズの選択は、術前検査の結果をもとに経験なども踏まえて執刀医が行ってきました。ですが、選択した度数が本来の度数と若干相違してしまうケースもありました。しかし、ORAシステムにより、術中のリアルタイムな提案も可能になったため、より最適なレンズ度数の選択が可能になり各段に精度が向上しました。
※当院では基本的に多焦点眼内レンズを選択いただいた患者様のみ、ORAを使用しております。

「白内障手術は次のステージに突入」

ARGOS で正確なデータを算出し、VERIONで正確な切開位置で乱視の軽減を目指すと共にレンズの最適な固定位置を表示させ、ORAで最適なレンズ度数を検討出来るため、多焦点眼内レンズの効果を最大限に引き出します。
V-Lynkシステムは次世代の白内障手術であり、特に多焦点眼内レンズやレーシックなどの屈折矯正術後の患者様の白内障手術ではより威力を発揮します。

さらに、当院ではV-Lynkと同時期に超音波白内障手術装置「CENTURION(センチュリオン)」と眼科用3次元映像システム「NGENUITY(エヌジェニュイティ)3Dビジュアルシステム」も導入いたしました。

CENTURION® with ACTIVE SENTRY®

最新鋭の白内障手術装置です。手術中の眼内圧の変動を抑えることで、より安全で安定した、目に優しい手術を行うことができます。

白内障手術装置
白内障手術装置

ACTIVE SENTRY®(アクティブセントリー)

白内障手術の際に患者様の眼内に入る器具のハンドピースにセンサーが内蔵されており、手術中の眼内圧変動を自動で継続的にモニタリングします。安定した眼内圧を維持するために調整が必要な場合、瞬時に本体へ信号を送ります。
術中リアルタイムで眼圧の変動を調整することで、術中の眼内の安定性を維持します。

アクティブセントリー

CENTURION®(センチュリオン)

能動的に機械が反応し、手術中の様々な状況で安定した眼内の環境を作り出すことができる手術装置です。
眼内圧の変動を検知し、患者様毎の目標眼内圧を維持するために機械が自動で加圧・減圧を繰り返し、還流量の調整や、還流液の吸引流量を検知・調整して眼内圧の変化を補正します。

センチュリオン

執刀医が望む眼内圧を維持し、正常眼内圧に近い状態での手術が可能となったことで、患者様にとって苦痛の少ない手術となる可能性があります。
従来の白内障手術装置を使用した時と比較して、術後の炎症や合併症も各段に改善されました。

NGENUITY(エヌジェニュイティ)3Dビジュアルシステム

NGENUITY は、HDR(High Dynamic Range)ビデオカメラを搭載した世界初の眼科用リアルタイム映像システムです。
従来の光学顕微鏡と比較して、低光量でありながらも高度な映像処理が可能であり、医師により良い手術環境を提供すると同時に、術中の患者様の眩しさや光暴露による黄斑部への影響を軽減することが期待できます。また、カラーコントラスト調整により、手術の種類、手術の工程ごとに映像をカスタマイズすることができます。
さらに、NGENUITYの4Kのワイドスクリーン・ディスプレイにより、執刀医は長時間にわたり不自然な姿勢で顕微鏡を覗きこむことから解放され、自由に身体を動かすことができ、頚椎への負担を軽減することができるようになります。そして医師だけでなく、手術室にいるスタッフも同じ手術映像をリアルタイムで観察することができるようになり、手術室でのコミュニケーションを向上させ、より良い手術を患者様に提供することが可能です。

※実際の手術風景

多焦点眼内レンズ白内障手術の概要

①手術を開始する前に、手術当日の患者様の眼を登録します

②手術計画に基づいた角膜切開位置をピンポイントで表示

※手術中に、患者様それぞれの強い乱視の方向を正確に切開することで、患者様が本来持っている乱視を若干軽減させることが期待できます。

③前嚢切開位置をガイドで表示

※より正確に水晶体の皮をくりぬくことができ、手術がやりやすくなります。

④ORAで手術中リアルタイムの度数を測定

※手術中に水晶体を取り除いた状態の度数を測定し、より正確な眼内レンズを選択するための情報を集めます。

⑤複数回の測定結果と術前検査結果を基に眼内レンズを手術中に選択します

※度数・種類など、集めた情報(検査結果)を基に患者様に最適な眼内レンズを手術中に決定します。

⑥多焦点眼内レンズの最適な固定位置を表示

※多焦点眼内レンズは眼の中で適切な場所に留置をしないと効果が最大限に発揮されませんので、デジタルガイドで留置する位置を表示します。

⑦乱視用眼内レンズの最適な固定位置の表示

※乱視用の眼内レンズは留置する方向が決まっており、その方向がずれると見えづらくなってしまうことがありますので、デジタルガイドで正確な方向を表示し、眼内レンズを留置します。

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