一般的な眼瞼下垂の手術療法
手術を行い、眼瞼挙筋を短縮したり瞼板への接合部を移動したりして、筋肉の作用を増強します。このような手術方法では瞼の皮膚や瞼の裏側の結膜を切開する必要があります。このため、瞼が腫れる期間が長くなったり、手術の効果が安定するまでに時間がかかったりします。
当院での手術の特徴
- 当院の治療のゴールは、整容面と医学的な視機能面の改善を両立させることです。
- 美容を目的とした手術ではありませんので、整容だけを目的とする手術は自費診療になります。
- 豊富な執刀実績と眼形成専門知識を要する執刀医が手術を行っておりますので、ご相談ください。
当院で施行している眼瞼下垂術術式
- 瞼板通糸法(経結膜的ミューラー筋タッキング通糸法)
- 眼瞼挙筋(腱膜)縫着術(1cm小切開法にて)
- 眼瞼皮膚切除術:重瞼線切開法
- 眉毛下皮膚切除術
- 重瞼作成術:切開法、埋没法
*上記は同時に複数の手術をすることもあります。また、術後に追加手術をすることもあります。
瞼板通糸法による手術
瞼坂通糸法では、上瞼を裏返して結膜から眼瞼挙筋に針を通してから再び瞼板に糸を通糸し、その糸を結膜側に引き出して結びます(図2)。この操作により、図3のように眼瞼挙筋を縫い縮めたのと同じ効果が発現します。
図2
図3
- ・瞼板通糸法では右の図のように、瞼の裏側から瞼板まで糸を通します
- ・その後、瞼板から糸を通して瞼の裏側にもどします
- ・このように糸を往復させてから糸を結んで縛ります
- ・瞼を挙上する筋肉(眼瞼挙筋)は、瞼の芯にある硬い軟骨状の瞼板につながっています
- ・筋肉を切り離さずに糸を使って筋肉をたくしあげるようにして短縮すれば、筋肉を切断して付け直したのと同じ効果が得られます
瞼板通糸法のメリット
瞼坂通糸法では、皮膚も結膜も切開する必要がありませんので、出血が起こりにくく、腫れも少なくて済みます。また、手術が簡単で短時間で行え、腫れが少ないので、当日の眼帯が必要ないという利点があります。また、手術の効果を確認し、修正しながら、手術操作を進めていくので、術後すぐに効果を確認することができます。
瞼板通糸法のデメリット
板通糸法では、瞼の皮膚に切開を加えないので、腫れが少ない反面、老化現象で瞼の皮膚がたるんでいる場合(加齢性眼瞼皮膚弛緩症)には皮膚のたるみが強くなることがあります。
また、瞼板に加わる糸の効果で瞼板が内向きにたわんで逆まつげの状態になることがあります。このような場合には追加の手術が必要になる場合があります。
瞼板通糸法の副作用
眼瞼下垂手術全般に言えることですが、手術の効果が強すぎれば、目が閉じにくくなり眼球が乾燥しやすくなります。
また、瞼板通糸法独自の副作用として、瞼の裏側の糸の刺激によってゴロゴロしたり、瞼の裏側(眼瞼結膜)に眼脂がこびりつき角膜に傷がつくことがあります。これらの副作用は、点眼を使用や、処置で治ります。
術後の注意点
- 洗顔やシャワーなどは、手術の当日から行うことが可能ですが、瞼を押さえないように注意してください
- 術後は目やにが多く出ますので、点眼を指示通りに使ってください
- 術後1週間以内に診察を受けて、まぶたの裏側に固まった膜状の目やにの状態を確認します
眼瞼下垂手術の注意点
また、この手術は左右の瞼の開き具合を完全に調整できるものではありませんので、瞼の開き具合に差が出ることがあります。
挙筋腱膜縫着術(小切開法)
- 眼瞼挙筋がはずれていることが原因となるため、元通りの位置に縫い付ける術式です。
- 片眼のみでも両眼同時でも、どちらでも対応します。
- 片眼15〜20分、両眼40分程度です。
手術方法
- ・二重にする予定の部分を1〜1.5cm程度の長さの皮膚切開を加えます。
- ・(高齢者や脂肪の多い方の場合は切開範囲が広くなるときもあります)
動画にまとめると下のようになります。ループしています。
- 余分な脂肪がある場合は取り除きます。
- 髪の毛より細い糸で3針程度縫って終了です
*基本的にふたえまぶたを作成します
*比較的低侵襲ですが、重度の症例には対応できないことがあります。
- ハードコンタクトによる眼瞼下垂の方で同時に手術をしました。術後驚いたような目にならないように注意し、相談して手術しました。
- 片方だけ年齢のせいで眼瞼下垂になりました。
挙筋がはずれているので、挙筋を修正しました。