ドライアイティクセル

ドライアイの原因

ドライアイは、涙の量や質が低下することによって、目の痛みや充血などのさまざまな症状が引き起こされる病気です。ドライアイの原因は複合的と考えられていますが、主な原因の1つがマイボーム腺機能不全(MGD)です。
涙は「油分」「水分」「ムチン」の3つの層からできており、水分が蒸発しないように油の層(※1)で覆われています。この油を分泌しているのが、睫毛の生え際にある『マイボーム腺』という器官です。
マイボーム腺の働きがなんらかの原因で低下してしまっている状態をMGDといい、涙の中の油分のバランスが崩れてしまうことによりドライアイの症状が引き起こされます。その他にも、MGDは眼の不快感や流涙、麦粒腫、霰粒腫などの原因にもなります。

※1:油の層には「涙を安定させる」「涙の蒸発を防ぐ」「涙をまぶたの縁に留める」等の大切な働きがあります。

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ティクセルとは?

ティクセル(Tixel)は、本体とハンドピースからなるドライアイ治療用の医療機器です。
光、レーザー、ラジオ波を一切放出せず、熱エネルギーを潤沢に直接マイボーム腺に届けることができる、安全性の高い機器です。
イスラエルで開発され、米国FDAをはじめ、EU、オーストラリア、ブラジル、南アフリカ、韓国、台湾、タイ、その他の国々で医療機器として承認されています。(日本では、2025年6月現在未承認です)

治療方法

ハンドピースをまぶたに置いて、ハンドピース内で400℃に加熱されたチタン合金ピラミッドチップを、千分の一秒単位のごく短い時間でまぶた表面に軽くタッチしていきます。
チップの先端は尖っているわけではないので、皮膚を貫通したり出血したりすることはありませんが、痛みを敏感に感じる部分であるまぶたにチップを押し当てるため、若干の熱さを伴うチクッとした痛みは生じます。

痛みを感じやすい方には、医師の判断で上下のまぶたに麻酔剤を塗布し、痛みを軽減することも可能です。(麻酔が切れたあとは日焼けしたようなひりひり感を感じますが、心配はいりません。)
この治療の作用により、ドライアイの原因となる「マイボーム腺開口部の脂分の詰まり」や「マイボーム腺内のペースト状になった脂分」を熱によって溶かし、涙に含まれる脂分の分泌を促すことでお悩みのドライアイ症状を改善させます。
また、まぶたにハリを与え、薄いしわを伸ばす効果もあり、軽度の眼瞼下垂の治療にも期待できます。(個人差があります。)

ティクセルとIPLの違い

ティクセルとIPLは、どちらもマイボーム腺梗塞を伴うドライアイに対する治療方法です。
それぞれの特徴を比較してみましょう。

ティクセル IPL
メカニズム 熱エネルギーを用いる 医療用の特殊な光を用いる
スケジュール
(1セット)
2-4週間おきに3回 3-4週間おきに4回
1回の治療時間 2-3分ほど 10分ほど
痛み 多少あり
(医師の判断で麻酔塗布可)
弾かれるような軽い痛みあり
(麻酔不可)
ダウンタイム 翌日までには軽い発赤や腫れは消失します
※個人差あり
ほとんどなし
施術者 医師 看護師
※霰粒腫に対する治療の場合は医師が施術します

※IPL治療で効果が出なかった方にティクセルをおすすめしています。

治療の流れ

治療スケジュール

基本的に、『2週間おきに3回』を1セットとした治療をおすすめしております。

治療前注意事項

  • メイクや基礎化粧品をすべて落としていただきます。
  • 医師が必要と判断した場合、目の周りに麻酔剤を塗布します。
    (ごく稀に、薬剤アレルギーによるショックがおこる可能性があります。歯医者で歯を抜くときの麻酔で気分が悪くなった方は事前にお申し出ください)

施術

上下左右の瞼に順番にハンドピースをあてがい、
右目:下まぶた10ショット→上まぶた10ショット
左目:下まぶた10ショット→上まぶた10ショット 計40ショットを照射します。
(治療直後はまぶたに触らないようにしてください)

治療後注意事項

  • 治療当日は、激しい運動やサウナ、水泳などは避けてください。
  • 治療当日のメイクは避けてください。治療後24時間後にはメイク可能です。
  • 治療当日の夜および翌朝の洗顔は、まぶたを石鹸などでごしごし洗わず、ぬるま湯で優しく洗ってください。
  • 乾燥を避けるため、保湿クリームを適宜塗布してください。また、外出時は日焼け対策を行ってください。
  • 蒸しタオル・ホットアイマスクなどでの温めや、まぶたのこすり洗いは、当日を含め、念のため3日間中止してください。4日目から再開可能です。
  • 治療後、まぶたに赤みや浮腫および不快感、ひりひり感、涙目、ごく小さなかさぶたなどが現れることがありますが、いずれも自然消失するのでご安心ください。
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左から治療直後、2日、7日、14日後の皮膚の写真です。だんだんと赤みや浮腫が収まっていき、2週間ほどで完全に治癒します。

治療が受けられない方

  • 妊娠中および授乳中の方
  • 治療部位に腫れ、感染症、炎症、がんなどがある方
  • 皮膚が日焼けしている方
  • ケロイド体質、血液凝固障害、創傷治癒に異常を有する方
  • 細隙灯検査で眼類天疱瘡、眼球癒着などの瘢痕性眼疾患を有する方
  • 活動性の眼炎症病変があり、医師が治療を不適と判断した方
  • ドライアイの種類や程度から、他のドライアイ治療を優先したほうがいいと医師が判断した方

よくある質問

VDT症候群と対策について教えてください

A.VDTとは、visual display terminal の略で、パソコンの画面など映像を表示するディスプレーを示す言葉です。この様なディスプレーを見続ける業務に従事していると、長時間の作業のために眼の疲れや乾燥などの障害を起こす事があります。ディスプレーを見る作業で生じた障害をVDT症候群と呼びます。

眼科ドックについてドライアイや緑内障などの病気を早期発見するため、40歳を過ぎたら眼科ドックを受けた方がいいと言う記事を読みました。この様な検査はどこの眼科でも受けられるのですか?

A.眼科の専門ドックについては、どこの眼科でも実施している訳ではありませんし、眼科ドックを標榜している病院はまだ、数多くありません。

ドライアイだと言われています。点眼を処方して貰っていますが、あまり調子が良くありません。点眼以外の治療法について教えてください。

A. 一般にドライアイは涙の分泌量が少なくなる病気と考えられていますが、実は涙が少なくなる分泌減少タイプの他に角膜の表面の水分の蒸発が過剰になる蒸発過剰タイプや、その両方が関係しているタイプもあります。

ドライアイの最新治療(IPL)について教えてください。

A. マイボーム腺機能を回復させる事で涙液の蒸発を抑えるドライアイ治療法が注目されています。2020年7月 日放送のNHKの番組「ガッテン!」でも取り上げられていました。

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