ICL(眼内コンタクトレンズ)は白内障のリスクを高める?

ICL(眼内コンタクトレンズ)は眼内に移植するコンタクトレンズの様なもので、近視や乱視などの屈折異常を治療する医療用具です。レンズを瞳の裏側の後房と呼ぶ位置に固定するので「有水晶体後房レンズ」、あるいは「有水晶体眼内レンズ」ともいいます。屈折異常の治療法では、角膜にレーザーを照射するレーシックが良く知られていますが、レーシックが矯正できる屈折異常の範囲には限界があります。ICL(眼内コンタクトレンズ)では角膜を削る行為を必要としないので、レーシックの適用できない近視の治療法としてはとても優れた治療法です。当院でも、レーシック適用外の方のためにICL(眼内コンタクトレンズ)手術を導入しています。

さて、このICL(眼内コンタクトレンズ)の手術に関してちょっと気になる論文が出されましたので、簡単にご紹介しておきます。
JAMA Ophtalmology誌 2016年3月号の論文ですが、1998年から2004年の間にV4モデルというICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入された患者さんでは、水晶体混濁発生率が高く、53眼のうち18眼が白内障手術を受けていた…というショッキングな調査結果です。

「えー!ICL(眼内コンタクトレンズ)手術は怖いの⁈ 」
ご安心ください。
この調査では、二つの問題点がありました。

一つ目は、調査対象とした患者さんの年齢です。登録時の年齢( 手術を受けた当時の年齢です)が、平均年齢38.8±9.2歳でした。最も若い患者さんは、30歳ちょっと手前の年齢になりますが、レーシックに比べて費用が高いICL(眼内コンタクトレンズ)手術は手術を受けた患者さんの年齢が高めなのです。最高年齢は38.8+9.2歳ですから48.0歳という事になりますね。この方は10年後には58歳になっています。
この年齢の方では、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けていなくても、白内障手術が必要になっていた可能性が高いのです。従って、高年齢の方がICL(眼内コンタクトレンズ)手術をうければ、白内障の発生率や白内障手術を受けた比率が高くなってくるのは当然、予想される結果なのです。

二つ目は、調査対象となったICL(眼内コンタクトレンズ)のモデルです。V4と言うのは、すでに改良されている現在のモデルと異なり、房水( 眼内の栄養や酸素を運んでいる)の流れを阻害する可能性が指摘されていて、白内障や緑内障を引き起こし易いことが懸念されていた製品でした。このため、新しいタイプのICL(眼内コンタクトレンズ)が開発され、緑内障、白内障の発生率が極めて低くなったと言われています。

当院では、この新しいタイプのICL(眼内コンタクトレンズ)が使えるようになったので、ICL(眼内コンタクトレンズ)手術をスタートしました。術前に十分な検査を行い、厳格な基準で手術適応を決めておりますのでご安心ください。
( 今野)

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