多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズについて

多焦点眼内レンズは、濁った水晶体と置き換えるために使用される人工レンズの一種です。このレンズは複数の焦点距離を持つため、遠くのものと近くのものの両方を眼鏡なしで見ることができるようになります。
とはいえ、遠くから近くまですべての距離がクリアに見えるわけではありません。眼内レンズでカバーできない焦点距離に関しては眼鏡でのピント補正が必要になります。
“完全に眼鏡が必要なくなる”ということではなく、あくまで“眼鏡をかける頻度を減らせる”レンズであるということをご理解ください。

多焦点眼内レンズには、以下のような種類があります。

2焦点眼内レンズ:遠くのものと近くのものの2つの焦点距離を持ちます。
3焦点眼内レンズ:遠くのもの、中間距離のもの、近くのものの3つの焦点距離を持ちます。

多焦点眼内レンズは、単焦点眼内レンズに比べて眼鏡を使う頻度が格段に減るため、日常生活をより快適に過ごしたいとお考えの方にはおすすめのレンズです。 しかし、以下のような欠点もあります。

1.術後の見え方に慣れるまでに数週間から数ヶ月かかることがある。
2.夜間にライトなどを見た際、光の反射が発生する場合がある。
3.単焦点眼内レンズに比べると、コントラスト感度がやや劣る。
4.手術費用が高い。(参考:『多焦点眼内レンズでの手術について』)

多焦点眼内レンズを選択するかどうかは、患者様の個々の状況に応じて決定されます。
当院では、患者様の術後の生活をより良いものにするために、アンケートを取りながらしっかりとお話を伺っています。何か心配なことや気になることがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。

多焦点眼内レンズはこんな方におすすめです

  • 白内障以外に目の疾患がない
  • 老眼で困っている
  • 眼鏡の使用頻度を減らしたい
  • 運転やスポーツなどで複数の距離を同時に見ることが多い
  • おおらかなタイプ

目の状態や生活スタイル、もしくはご本人の性格や価値観などにより、多焦点眼内レンズにあまり向かない方もいらっしゃいます。以下のような方は、術前に医師とよく相談しましょう。

  • 白内障以外に目の疾患がある(緑内障や網膜の病気など)
  • 夜間の運転が多い
  • 絵画や写真など、色のコントラストに関わる仕事や趣味をもっている
  • 「この距離は絶対に裸眼で見たい!」など、焦点距離に強いこだわりがある
  • 神経質で細かいことが気になるタイプ

当院で採用している多焦点眼内レンズ

当院では、世界初の5焦点レンズとなる「INTENSITY」を採用しています。

INTENSITY(インテンシティ)Hanita Lenses社製 【詳しく見る
  • 遠方・遠中・中間・中近・近方の5つの焦点にピントが合うレンズです
  • 光学エネルギーロスをおさえた設計で、日中も夜間もくっきり鮮やか
  • EU加盟国において一定の品質基準を満たした証である「CEマーク」を取得
焦点の特性 5焦点回折型レンズ
乱視対応
遠く~中間
近く
コントラスト 良好
ハロー・グレア ※ 少ない
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

TECNIS Odyssey(テクニスオデッセイ)AMO社製
  • 厚生労働省が認める、国内唯一の連続焦点レンズ(2024年9月現在)
  • 昼夜問わず質の高い見え方
  • 夜間の光のにじみや眩しさを軽減
焦点の特性 連続焦点型
乱視対応
遠く~中間
近く
コントラスト やや弱い
ハロー・グレア ※ ややある
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

Clareon PanOptix(クラレオンパンオプティクス)日本アルコン社製
  • 高い光利用率(88%)により、遠方・中間・近方のすべての距離において鮮明な視覚を提供
  • 国内で多くの使用実績あり(選定療養の対象として認可されています)
  • 新素材の採用で、従来のPan Optixよりも高い透明性を実現
焦点の特性 遠・中・近 3焦点
乱視対応
遠く~中間
近く
コントラスト やや弱い
ハロー・グレア ※ ややある
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

Clareon Vivity(クラレオンビビティ)日本アルコン社製
  • 独自のテクノロジーによるレンズ設計
  • 多焦点眼内レンズの弱点である「コントラスト感度低下」「ハロー・グレア」を抑制
  • 選定療養の対象として認可されています
焦点の特性 焦点深度拡張型
乱視対応
遠く~中間
近く
コントラスト 良好
ハロー・グレア ※ ほぼない
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

Vivinex Gemetric(ビビネックスジェメトリック)HOYA株式会社製
  • 日本企業製として初となる3焦点回折型レンズ
  • 日本人の体型に合わせて作られており、眼鏡なしでも遠方の見え方のキレがいい
  • 光配分の異なるレンズをそれぞれの目に入れることにより近くの見え方を引き上げる『ペアリング』も選択可
焦点の特性 3焦点回折型レンズ
乱視対応
遠く~中間
近く ○~◎(ペアリング可)
コントラスト やや弱い
ハロー・グレア ※ ややある
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

TECNIS PureSee(テクニスピュアシー)AMO社製
  • 夜間光視症が抑えられており、夜間運転やPC操作も問題なくおこなえる
  • 遠方から日常生活に必要な近方まで視力を提供
  • MedTech Breakthrough Award 2025にて、最優秀新技術ソリューション眼科部門を受賞
焦点の特性 焦点深度拡張型
乱視対応
遠く~中間
近く
コントラスト 良好
ハロー・グレア ※ ほぼない
夜間運転

※ハロー・グレアとは、夜間に光がにじんだり、まぶしく見える症状のことです。

多焦点眼内レンズでの手術について

多焦点眼内レンズを使った手術には、レンズ代金や検査費用など一連の手術費用すべてが自己負担となる自由診療と、レンズ代金のみ自己負担しそれ以外の費用は保険適用となる選定療養があります。
当院では、見え方のご希望などをよく伺ったうえで、どちらの制度で手術を受けるかお選びいただいています。

診察、手術、
検査、お薬代
レンズ代金 フェムトセカンドレーザーの使用
自由診療(保険適用外) 自費
選定療養 健康保険(1~3割) 自費 ×

レンズ代金含めすべて保険適用で手術をご希望の場合は、多焦点眼内レンズは選択できません。単焦点眼内レンズでの手術となります。

自由診療

使用可能なレンズ:INTENSITY、TECNIS Odyssey、Clareon PanOptix、Clareon Vivity、Vivinex Gemetric、TECNIS PureSee
使用する機器:V-Lynk(ブイリンク) フェムトセカンドレーザー

フェムトセカンドレーザーを使用する『FLACS』というシステムで手術を行います。
プレミアム白内障手術

選定療養

使用可能なレンズ:Clareon PanOptix、Clareon Vivity
使用する機器:V-Lynk(ブイリンク)

フェムトセカンドレーザーは使用できません。

※選定療養とは
追加費用を負担することにより、保険適用の治療と保険適用外の治療を併せて受けることができる制度です。
2020年4月から、多焦点眼内レンズを使用した白内障手術は選定療養の対象となりました。
この制度を利用して手術を受ける場合、診察・手術・検査・お薬代については通常通り健康保険(1〜3割負担)を使用することができ、レンズ代金のみ自己負担となります。


多焦点眼内レンズについて

多焦点眼内レンズの特徴・取扱レンズなどについて動画にてご紹介しています。
詳細についてはこちらからご覧ください。

白内障のよくある質問

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